海外デジタル教育改革!オーストラリアの教育機関が3Dプリンターを導入

オーストラリアの高校でも3Dプリント教育が開始

世界各国で3Dプリンターの市場が拡大しているが、市場規模として大きな比率を占めるのが教育界だ。

各国が学校機関へ3Dプリンターを積極的に導入したり、カリキュラムなどを見直したりする動きが活発だ。オーストラリアも学校機関に3Dプリンターを導入し始めており教育改革が進んでいる。

オーストラリアの国公立の教育システムやカリキュラムは州政府ごとによって異なっており、州の教育省が管轄を行っている。今回3Dプリンターが導入されたのはオーストラリアのビクトリア州であり、州政府が資金提供を行って高校に3Dプリンターの導入を行った。ビクトリア州では19校に対して3Dプリンター導入を行うとともに教育カリキュラムの見直しも図っているようだ。

3Dプリンターを入れたカリキュラムは単純に使い方を学ぶのではなく、科学、数学、工学、技術、芸術の分野にまたがって学ぶ仕組みになるとのこと。

こうした3Dプリント技術の教育への導入は学生たちにデジタルによる自由なものづくりの発想法を身に着けさせることを目的としている。

3Dプリンターは高校の化学の授業などでも利用されている。三次元の分子構造を理解させる際に学生たちが独自の三次元分子構造を設計し3Dプリントすることで複雑な構造を理解させるのに役に立っているとのことだ。

また、高等学校への導入だけではなく世界トップクラスにランクインされるメルボルン大学において、オーストラリア初の3Dプリント製品の展示会が行われている。

オーストラリア3Dプリント

教育における3Dプリントの役割とは

オーストラリアの教育システムは州の教育省ごとに政策がとられているため、州によって反応はまちまちかと思われるが、イギリスやシンガポールなどの諸国と同様に積極的で素早い。

イギリスなどでも国が1000万ポンド近い資金を各教育機関に対して予算づけをして3Dプリンターの導入を行っている。また同時に数学、工学、デザイン、技術など各分野での使用がカリキュラムに込みこまれている。このように、これからの学生たちは独自のデザインを開発し、デザインするだけではなく3Dプリンターを使用して自由に製品の試作を行うことができるようになっている。

また、デザインだけではなく、高度な機械設計やエンジンモデルなどの設計とパフォーマンスの向上、カスタマイズを行う実地教育にも非常に役に立つと考えられる。3Dプリンターはあくまでも道具ではあるが、3DCADと同時にカリキュラムに組み込むことによって学生に製造業のプロセスや制約なども実地に近い教育を与えることが可能だ。

まとめ

国によって取組方はまちまちであるが、今後は学校教育の中において3Dプリンターは当たり前のように使われる時代がすぐにくるのであろう。イギリスでは5歳から14歳の期間で3Dプリンターとモノづくりに関する授業を開設し2014年から運用を開始する予定だ。イギリスの場合はその導入方法と教育改革は顕著で、義務教育の年代から3Dプリンターを使用させるという仕組みだ。

今回のオーストラリアのビクトリア州の導入事例もイギリスの導入事例と近い部分がある。オーストラリアも単純に3Dプリンターを導入するだけではなく各分野に広がって3Dプリンターの使用を定着させ、発想やアイデアの自由化を図ろうとしている。

日本においても美大やその他の大学、専門学校等では3Dプリンターが導入され学生たちに利用されているが、中学高校レベルでは導入は検討されていないようだ。

単純にイギリスやオーストラリアの例と比較することはできないが、少なくとも両国の導入事例を見る限りは、10年先、20年先の将来的な人材の育成を目的としておこなわれているように見える。

中学生や高校生時代の柔軟なフレッシュな頭脳を持っているうちに、科学、数学、工学、技術、芸術など多岐にわたる分野において3Dプリンターの使用を行うことと、大学や専門学校で設計という分野のみで3Dプリンターを使用することは大きな違いが出てくる。

中学教育や高等学校教育における3Dプリンターの使用は単純な製造業や設計だけの人材育成にとどまらず、幅広い分野における自由なアイデアをもつ人材の創出と育成にあると考えられる。

3Dプリンターの教育機関への導入記事はこちら

i-MKAERでは光造形3DプリンターForm3+やレーザー焼結3DプリンターFuse 1Raise3Dシリーズなど多彩な3Dプリンターのノウハウ、販売をご提供しています。ご質問や無料サンプルや無料テストプリントなどお気軽にご相談ください。