3Dプリンター材料市場は2018年に4億800万ドルに達する見通し

拡大する3Dプリンター用の材料

3Dプリンターが導入されている産業が拡大を見せているがその最大の原因の一つは使える素材の拡大が大きい。

従来は石膏と樹脂がほとんどで、そのため、3Dプリンターの使用用途も試作品やプロトタイプの製造で使用されることがほとんどであった。

しかし3Dプリント技術の研究が進むとともに使用できる素材の研究もなされ、今では3Dプリンターで使用できる素材が増え続けている。

つい最近では3Dプリンターメーカーでトップを走る3Dsystems社がフルカラーでプラスチックがプリントできる3Dプリンターや、プラスチックやゴムなどの素材を複合してプリントできる3Dプリンターを発表した。

そんな中アメリカの市場調査会社MarketsandMarkets社が2018年度の3Dプリント材料市場の予測を発表した。

 3Dプリンター材料は2018年度に4億800万ドルに達する

今回発表された3Dプリンターの材料は現在主に使用されている産業に焦点を当て、プラスチック、金属、セラミック、その他の4種に分類されている。

こうした3Dプリントの主力材料は宇宙航空産業や自動車産業、歯科医療分野、等で使用されている。主な材料の内訳は、プラスチックはABSPLA、ナイロン、その他。金属はスチール、チタン、金、銀、アルミニウムなど。セラミックはガラス、石膏、シリカなど。

その他は木材、紙などで分類している。金属素材の使用としては自動車用のパーツや航空宇宙産業における衛星部品やジェットエンジンのパーツ類、医療分野ではインプラント用として使用が拡大する傾向にある。

またプラスチック素材は従来からのプロトイプ製造に加え、フルカラーのプラスチック印刷が可能になることから、消費者が使用するコンシュマー向けアイテムの製造で市場が拡大すると予測されている。

セラミック材料は家庭におけるテーブルキッチン周りの製品製造やアートや彫刻などの芸術分野での使用が期待される素材だ。

こうした素材の多角化により市場予測はなされているが、例えばプラスチック材料については2012年度には約7000万ドルに上ったが、2018年度には2億900万ドルに達すると予測している。

また年間平均成長率では2013年度以降19.9%という成長率になると予測。現在のところ3Dプリント市場において主要な地位を占めているのがアメリカに代表される北米市場だが、今後はアジア太平洋地域における市場拡大が最も期待され、この地域の年間平均成長率も15.7%に達するという。

ちなみに2012年度の3Dプリント材料市場のうち、北米とアジア太平洋地域の占める割合は68%に達する。

まとめ

3Dプリンターの普及と技術向上に伴い、今後も3Dプリント材料市場も急速に拡大していくと予測されている。

市場調査会社MarketsandMarkets社は以前発表したレポートでは2020年に3Dプリント市場が80億ドルに上ると予測しており、今回は材料に焦点を絞って発表している。

今回の市場予測の特徴は、2018年度の3Dプリント材料のうちプラスチック材料の市場が50%近くを占めている点にある。現在プラスチック材料はABSフィラメントやPLAフィラメントが主力材料であり、使用用途としてはプロトタイプの製造や簡単なパーツ類の製造に使用されている。

しかし2014年以降は高精度なフルカラーのプラスチック印刷が可能になることや、プラスチックとゴムなどを複合した印刷が可能になることから、消費者製品のダイレクト製造の比率が大幅に向上すると考えられる。

既にエンドユーザー向けのアイテムは3Dプリンターで作られ始めているが、フルカラーや複合などの多角化により、今まで3Dプリント生産に二の足を踏んでいたメーカーやフアッション業界などが一気にオンデマンド生産に乗り出すかもしれない。

さらには素材の研究開発も盛んにおこなわれており、今後も3Dプリントの材料市場には注目があつまりそうだ。

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