電子部品の超小型3Dプリントが可能にAerosol Jet

電子部品の小型化・低コストを実現

3Dプリント技術は様々なモノを対象に研究がなされている。主な研究分野は素材の多角化があげられる。3Dプリンターで使える素材が増えれば増えるほど、様々な製造分野において1個単位からのカスタム製造が可能になり、ものづくりの幅を広げてくれるからだ。

一般的にはプラスチックや石膏、金属などの素材が主流を占めているが、特定分野にターゲットを絞って3Dプリント技術の研究開発を行っている企業もある。そのうちの一つがOptomec社だ。Optomec社は主に電子部品の小型化、軽量化に特化した3Dプリント技術で定評がある企業だ。

その歴史は古く1997年にはじめて企業向の3Dプリンターを投入して以来、じつに15カ国150の顧客に導入を果たしている。主な導入業界は電子機器を製造するメーカーや、エネルギー・ライフサイエンス業界、航空宇宙産業など、エレクトロニクスを製造している企業に多い。

主力製品である3Dプリンターがエアロゾルジェットシリーズ。既にアメリカの著名な企業やNASAなどの研究機関に導入がされているが、今回新たに従来よりもはるかに小型で軽量化された電子部品を製造できる3Dプリンターを投入すると発表している。

Optomec社の3Dプリンター

この超小型・軽量の電子部品の3Dプリントに関しては特許を取得しており、エレクトロニクスを製造する相当広範囲な業界に使用することができると見越しているようだ。Optomec社のマイク博士は今回の小型・軽量化電子部品について以下のように述べている。

小型化されたエアロゾルジェット印刷ヘッドは、多くのアプリケーションに使用することができます。単一の材料を用いた線形アレイとして、プリントできます。さらにエアロゾルジェットは将来、配列内の各小型化されたプリントヘッドから異なる材料を印刷することができます。また、トランジスタ、キャパシタ、センサ、抵抗器などの複雑なマルチ材料、多層デバイスを作り出すことができます。

ちなみに下記の動画はモバイルデバイス用のアンテナのプリントの動画だ。Optomec社によるとエアロゾルジェットを使用することで、製造コストを抑え、1週間で30000ユニット製造することが可能だ。

モバイルデバイス用アンテナのプリント

まとめ

Optomec社は電子部品の3Dプリント技術の研究開発に創業以来取り組んでおり、約3000万ドル近い資金を投入してい技術革新に取り組んでいるという。エレクトロニクス製品の多くは日々技術が進歩し、製品の小型化がなされているが、その背後にはエアロゾルジェットのような技術の存在が大きい。

それは電化製品の一番の核、すなわち心臓部と言える部分が電子部品と基板で構成されるパーツ部分になる。その核となる基板部分が超小型化されたり、あるいは曲げられるような新たな素材になることで、最終品の形状も大きく異なり、使用範囲や機能性も大きく広がることにつながるのだ。

そうした点からも3Dプリント技術の研究のうち、素材の研究と拡大が最も大きな影響力を持っているのだろう。それは新たな新素材の研究イコール3Dプリントでの使用研究と言っても過言ではないくらいだ。

従来では使用できなかった素材が使用できるようになれば、従来の電化製品を全て塗り替えてしまう可能性を持った製品開発を可能にしてくれる。今後3Dプリント技術において、最も注目する部分は素材の研究かもしれない。

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