ブルガリア歴史博物館が3Dプリントサイトと提携 展示物の3Dデータの販売開始

国立博物館が3Dプリント販売を開始

ブルガリアは東ヨーロッパに位置する国で、歴史的にも様々な文明が存在した極めて重要な地域だ。日本だとヨーグルトで有名だが、古代には黄金遺物で有名なトラキアの国であり、その後、ローマ帝国、ビザンチン帝国、オスマントルコと、異なる様々な文明の影響を受けている。

そのため古代から伝わる歴史的遺物が数多く残っており、ヨーロッパの歴史を知る上では欠かすことのできない地域だ。中でもブルガリア西部に位置するペルニクの地域歴史博物館はそのコレクションの多さで有名。

1953年に設立されたこの博物館は1959年にブルガリアの国立博物館に成長し、ブルガリアの考古学界、近現代史の世界で主要的な位置を占めている。その彫像されているコレクションは幅広く、55,000点に及ぶという。時代は多岐にわたっており、先史時代の陶器から、トラキアの遺物、貨幣のコレクション、中世の都市生活品、と様々だ。

実はこの伝統あるブルガリアの国立博物館が、現代のデジタル技術である3Dスキャンと3Dプリントを使った新しい取組を始めている。

ブルガリアペルニク歴史博物館が始めたのは貯蔵している55,000点の歴史的コレクションを3Dスキャニングし3Dデータの共有サイトであるThreedingで販売を行うというものだ。

Threedingは有料・無料の幅広い3Dプリント用データが販売されているマーケットプレイス。分野は様々で、ペルニク歴史博物館が販売する骨董品や歴史的遺物以外にも建築、ファッション、電子・テクノロジー、科学、おもちゃ、モーターなどいろいろな3Dデータが公開されている。

ブルガリアのペルニク歴史博物館は歴史的骨董品をよりよく知ってもらいたいという面と、そこで出た売上を博物館運営の予算に使用することを考えているという。

Threeding上の歴史骨董品

まとめ

ブルガリアのペルニク歴史博物館の取組は、3Dデータを販売して収益を上げるというよりも多くの人に知ってもらおうという広報的意味の方がつよいだろう。歴史的に様々な文化的遺産を持つブルガリアが最新技術として注目される3Dデータを利用することで、国境を越えた多くの人に知ってもらえる機会につながる。

最近では3Dプリント技術の質も向上しつつあるため、模型や試作品としての再現性も従来よりも高くなっており、こうした点から3Dプリンターを販促品製造やマーケティングに使用するケースも登場し始めている。ペルニク歴史博物館の取組も結果として集客につなげ、広く認知拡大を狙った取組だろう。

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