EOSの新プラスチック3DプリンターP396は60%も時間を短縮

造形スピードを60%短縮したニューモデル

今週まで6日まで開催されていたヨーロッパ最大の製造金型展示会ユーロモールド2013で3Dプリンターメーカー各社がそろって新製品の発表を行った。

従来品にはなかった機能や新しい素材に対応したものなど様々な3Dプリンターが発表されたが、ドイツの代表的な3DプリンターメーカーEOSは製造時間を大幅に圧縮することができる新機種EOS P396を発表した。

EOS P396の主な特長として生産性の向上と運用コストの削減があげられる。第一に従来品と比べて最大約30%の生産性の向上が可能になるという。

また材料消費量とエネルギー消費量を抑え1回の製造において従来品に比べて30%のコスト削減に成功したとのこと。

また造形スピードの向上も図られておりこちらは最大で60%のリードタイムの短縮が果たされた。

EOSはもともと金属のレーザー焼結技術による3Dプリンターメーカーとして有名だが、今回のP396の発表においてプラスチック材料の添加剤製造でも主導的な役割を果たせることを見せつけた。EOS P396は2014年4月から展開されるとのことだ。

EOS P396の特長

  • 高い費用対効果:高精度オンデマンド生産によって部品コストを削減
  • 高クオリティ:高い温度安定性によって積層レベルの更なる均一化に成功
  • 高い生産性:旧モデルP395に比べて平均15%の生産性アップ、60%のリードタイム短縮
  • 革新的ソフトウェア:最新バージョン3.7でより管理が簡単
  • ユーザーフレンドリ:高精度な複雑なプラスチックパーツの製造が可能
  • 持続可能性:P396システム全体のエネルギー消費量の低下

EOS P396

EOS P396スペック

  • 造形サイズ:340㎜×340㎜×600㎜
  • 造形速度:最大48㎜/1時間
  • 積層精度:0.06 mm、0.10 mm、0.12 mm、0.15 mm、0.18 mm
  • レーザー式:CO2, 70 W
  • 積層中のスキャン速度:最大6m/1秒
  • 電圧供給:32A
  • 消費電力:10キロワット
  • 窒素発生器:外部接続
  • 圧縮空気供給:6 m 3 /時間 5.000 hPa
  • 寸法(システム):1840㎜×1175㎜×2100㎜
  • 寸法(制御端末):950㎜×1175㎜×1550㎜
  • 粉末搬送システム(寸法):1480㎜×1170㎜×1470㎜
  • 解梱部(寸法):1190㎜×620㎜×1500㎜
  • 推奨設置スペース:4.3m×3.9m×3m
  • 重量:1060kg
  • 専用ソフトウェア:EOS PSW, EOS RP Tools, EOSTATE
  • CAD:STL

まとめ

3Dプリンターのニューモデルが続々と登場しているが半年前に今後の改善点と指摘されていたことが次々に改良され始めている。

今年の夏ごろ3Dプリンターブームが起こり、各調査会社が3Dプリント技術関連市場の市場予測を提示したが、現段階での改善点として何点か指摘を行った。

造形スピードの遅さや、素材の価格の高さ、素材の多様性といった問題点があった。

しかし12月3日から6日に開催されたユーロモールドで各社がそろって発表した新製品では上記の問題点が改良された製品が多く登場した。

3Dsystems社は世界初のフルカラープラスチック印刷機や複合材料機を発表し素材の可能性を見せつけた。

ストラタシスは新素材である柔軟性と耐久性に優れたナイロンを発表し造形範囲を大幅に広げようとしている。

そして今回EOSが発表したP396においては、3Dプリンターの最も問題点であった造形スピードが大幅にアップしたモデルだと言える。最大で60%のリードタイム短縮が達成され、生産効率が大幅にアップすることが期待できそうだ。

3Dプリント技術の研究開発はまだまだ途上にあり、今後も素材含めたあらゆる研究が進むことで更なる技術的向上と導入分野の幅が広がりそうだ。

ユーロモールド2013の各社製品発表の記事はこちら

3Dプリンターとスピード向上の記事はこちら

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