GrabCADのイノベーションギアチャレンジ受賞者
昨年12月10日にご紹介させていただいたGrabCADの3Dイノベーションギアチャレンジの受賞者が発表された。
GrabCADは当サイトでも何回かご紹介させていただいている3DCADデータのダウンロードサービスを提供する企業。
GEとも設計共同プロジェクトを行なったり、昨年12月時点で世界中から97万人のデザイナーやエンジニアが登録されている。
今回GrabCADが行った3Dイノベーションギアチャレンジは明日1月31日に開催予定の3Dプリンタ万博で展示され、受賞者に優勝賞金が支払われることになる。
今回は150近いエントリーの中から、専門家による厳しい審査を経て受賞した1位から5位までのイノベーティブなCADデザインをご紹介。
主な審査の基準として細かい規定があるが、一言でいうと、オリジナルで、3つ以上の歯車があり、正確に機能し、創造性、デザイン性があることだ。
GrabCADのイノベーションギアチャレンジについてはこちらの記事をご参照ください。
1位:高度なヨーヨー
見事1位に選ばれたのはアメリカ・カリフォルニア州のアン氏がデザインした高度なヨーヨー。
チタン用の3Dプリンターで出力するために設計されたもので、外側のまわりだけではなく、内側のギアが機能するように設計されている。
審査員からは創造的で、実用的であり、実際に製品として使用される可能性をもったデザインと評価されたとのこと。
優勝賞金は1万ドル。
1位になった高度なチタン製ヨーヨー
2位:1メートル以上に伸びるクランク「8」
2位に受賞したのはギアとクランクを組み合わせることで、1メートル以上の高さまで伸縮させる製品だ。
こちらをデザインしたのはルーマニアのフィデル氏。
こちらはギアを機能させることで、簡単にリフトよりも早く伸縮できるプロダクトになっている。審査員からは独創的で今後の利用可能性がたくさんあるとの評価を受けている。
賞金は5000ドル
1メートル以上に伸びるクランクギア「8」
伸縮機能の動画
デスクトップカレンダー
3位に入賞したのはギアを手動で回すと日付が切り替わるデスクトップカレンダーだ。受賞者はイギリスのジェイミー氏。こちらのプロダクトも機能性が認められ実用性の可能性がると評価されている。
賞金は3000ドル
ギアで動くデスクトップカレンダー
4位:あらゆる方向に歩くことができるロボットTOW
第四位に受賞したプロダクトは、あらゆる方向に歩くことができるロボット「TOW」だ。
こちらのロボットはそれぞれの脚を時計回り、反時計回りに回転させることで、あらゆる方向に歩くことを可能にさせるという機能を持っている。
デザイナーはイタリアのマルチェロ氏。独創性や機能性は認められたものの、複雑な構造故3Dプリントするのは難しく、材料によっては壊れやすい可能性も指摘されたとのことだ。
賞金は1000ドル
あらゆる方向に歩くことができるTOW
5位:エンジンをパワーアップさせるキットGO3D
最後に第5位に入賞したデザインはエンジンをパワーアップさせるキットGO3Dだ。
受賞者はイランのテヘラン在住のホセイン氏。サイズは8cm×8cm×6cmの大きさで作られるキット。
創造性と技術革新性を認められ入賞したとのことだ。
賞金は1000ドル
エンジンをパワーアップさせるキットGO3D
まとめ
今回入賞した5つの作品の受賞者は全て異なる国から選出されている。
アメリカ、イギリス、イタリア、ルーマニア、イランの5か国のエンジニアもしくはデザイナーだ。入賞者は賞金を獲得するだけではなく、カリフォルニアで開催される3Dプリンタ万博で展示されることで、エンジニア、デザイナーとしての才能が認められることになる。
GrabCADは今回の3Dギアチャレンジ以外にもいくつかのデザインコンテストを行っているが、世界中から登録しているエンジニア・デザイナーが応募するだけではなく、お互いに刺激を与え合い、育成させる取組だ。
エンジニアやデザイナーからしてみれば、自分の技術やアイデアが広く認められる機会を与えられるだけではなく、様々なCADデザインを必要としている企業からのオファーを受けられる機会が開けるかもしれない。
また企業側のメリットとしても、社内以外の幅広いエンジニア・デザイナーを利用することで、自社の力を超えた製品開発につなげることができる。
まさに世界中からエンジニアやデザイナーが集まり、ITを通して相互に刺激しあう仕組みと言えよう。
一例として、このGrabCADの特性を上手く使っているのがGEだ。GEは自社で製造するジェットエンジンブラケットの新しいデザインをGrabCADで応募することで、自社の製品開発の枠を超えた製品改良を行っている。
このプロジェクトでは56カ国700名近いエンジニアやデザイナーからジェットエンジンブラケットの応募があった。
まさに製品開発の一分野にIT技術と3Dプリント技術を取り入れることで従来では全く不可能であった製品開発を行う時代になっていると言える。
GEとGrabCADのコラボレーションの記事はこちら
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