3Dプリンターとレーザーカッターが一体になったデュアルノズル搭載のRepRap

レーザーカッター、レーザー彫刻にもなる3Dプリンター

今日の低価格3Dプリンターを爆発的に普及させる一番の要因はRepRapの存在が大きい。言うまでもなくオープンソースの低価格3Dプリンターだが、現在登場している国産の3DプリンターにもこのRepRapを利用して作られた物が多い。

それ以前に、現在世界で最も普及しているとされているMakerbotも、もともとはRepRapの修正から始まったとされている。そんな3Dプリンターの普及にとって重要な役割を果たしているRepRapだが、オープンソースという特性を生かしさまざまな改良版が登場している。

オープンソースではさまざまな人のアイデアを共有することができ、次々に修正版が配布されることから、技術の進歩にこれほどいい仕組みはない。本日ご紹介する3Dプリンターハロープリンターもそのうちの一つ。このRepRapの改良版は、なんと3Dプリンターでありながら、同時にレーザーカッター、レーザー彫刻としても機能するオールインワン機器だ。

レーザーカッター、レーザー彫刻にも変更可能なオールインワン機器

2本のノズルを搭載し1度に2個生産可能

しかも一般的な3Dプリンターと異なり押出しノズルが2本搭載している。FDMタイプの3Dプリンターはノズルから樹脂を溶かして積層する仕組みだが、ノズルが2本あることによって、一度のプリント時間で2個のプロダクトを作ることができるという特長を持っている。これは単純に3Dプリンターとしての製造能力が2倍になることを意味している。

既にノズルから押し出すFDMタイプの3Dプリンターは複数ノズルでカラーや異なる素材を積層する機能を持つものが登場しているが、ハロープリンターは2本別々に動くことによって、2個せいぞうできるようにしているというものだ。

この2本のノズルはレーザーカッターやレーザー彫刻に変更する場合においても機能することが可能で、CNC機器としても2個単位で生産することが可能だ。

RepRapを改良したデュアルノズル搭載のハロープリンター

ハロープリンタースペック

  • 加熱されたベッド200㎜×200㎜×200㎜(長さ×幅×高さ)
  • ノズル径:0.2mm、0.3mm、0.5mm
  • フィラメント径:1.75mm
  • 追加モジュール:CNCレーザーカッターとレーザー彫刻(別部品)
  • 最小積層サイズ(推奨):0.1mm – (最小:0.01mm校正に依存)
  • 使用可能な材料:PLAABS、ナイロン、ポリカーボネート木材のフィラメントなど
  • 最高速度(推奨):200mm/秒
  • 消費電力(最大):360W
  • ソフトウェア(推奨):Slic3rpronterface (オープンソース)
  • ファームウェア:アルドゥイーノ/マーリン
  • 価格:1000ユーロ(単一ノズル)、1150ユーロ(デュアルノズル)、1400ユーロ(フィラメントつき)

ハロープリンターの拡大キット版

このハロープリンターはオプションで更なる拡大を行なうことが可能だ。造形サイズは200㎜×200㎜×200㎜(長さ×幅×高さ)だが、高さを400㎜まで拡大が可能になる。

価格は単一ノズルで1000ユーロ、約13万7千円。ノズル2本のバージョンで1150ユーロ、約15万7千円だ。ちなみにフィラメントまでつけると1400ユーロ、約19万円になる。もちろんオープンソースであることから、ファイルは公開されており、GitHubで入手可能。単純に部品だけのコストでは600ユーロ約8万円程度だという。

彼らはこのハロープリンターを自分でビジネスを始めたい起業家や、新たにモノづくりに参加したい人々のために販売を計画しており、既にハロープリンターを用いたワークショップも開催している。

まとめ

RepRapはオープンソースという特性を生かし、世界中で改良版が登場しているが、今回ご紹介したハロープリンターのようなタイプは初めてと言っていい。ノズルが2本ある上に、レーザーカッターやレーザー彫刻にもなるという機種はまさに試作製造に特化した機種といっていいだろう。これから起業する人や、アイデアをカタチにしたいデザイナーにとっては最適な機種だと言える。価格帯も1台10数万円程度と手ごろな値段で試作には最適なオールインワン3Dプリンターだ。

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