インテルはスマートフォン専用3Dスキャン機能カメラを発表

3Dデータ化する3Dスキャンの民主化の動き

3Dプリンターの発展とともに、3Dデータ化の簡素化が求められている。Carbon3Dプリンターの登場は、3Dプリンターの民主化を期待させるものだ。これまでの3Dプリンターに比べ比較にならないほどのスピードで、金型を使った成形品のようななめらかな仕上がりが出せる。

また、低価格化がどんどんすすみ、1台あたり数万円で高品質な物体が作れるようになれば、多くの人が使ってみたいと思うだろう。しかし、それと同時に元となるデータ、3Dデータをより簡単に作れるようにならなければ意味がない。極端な話、スマホで撮影した写真をそのまま3Dデータ化し、プリンターに転送し数分でプリントする、このレベルの機能が求められる。

こうしたことから3Dデータ化するためのアプリケーションやソフトウェアが続々と登場している。例えばオートデスクの123DCatchは、複数の方向からスマートフォンのカメラで撮影した場合、3Dデータに変換してくれる。こうしたアプリケーションの開発はどんどん進み、もはや3Dデータ化は誰しも使える技術になる。

そのような中、ことなるアプローチで、3Dデータ化の民主化を果たそうとしている企業が存在する。それがインテルだ。インテルは3Dスキャニングカメラを開発し、あらゆるデバイスに搭載することで、それを可能にしようとしている。

6インチスマートフォン専用3Dスキャニングカメラ

すでに台湾のパソコンメーカーエイサーに3Dスキャニング機能を持つカメラを搭載している。そして新たに、中国のインテル・デベロッパーフォーラムで、6インチスマートフォン専用のRealSense技術を持つ3Dスキャニングカメラのプロトタイプを発表した。

この発表で公開された、インテルのRealSese搭載カメラは、スマートフォンやタブレット端末に対応させるため従来の50パーセントの大きさまで小型化に成功している。インテル・デベロッパー・フォーラムは多くの技術者が集まり、インテルの製品やその可能性について発表、話し合う場。

近年では中国市場の高まりから、中国での開催が多いが、今回はこのRealSense搭載カメラに関しての多くの企業パートナーシップを創設する機会としても使用されている。今回発表されたスマートフォン専用の3Dスキャニングカメラの開発キットは、今年の年末に利用が可能になるとのことで、すでに14の設計製造企業がサインをしている。

まとめ 3Dスキャンや3Dデータ化は当たり前の時代に

このインテルの3Dスキャニング搭載カメラは現在プロトタイプであるため、その精度は不明だ。しかし、近い将来当たり前のようにスマートフォンやタブレット端末で3Dスキャンできるようになるだろう。かつて電卓が巨大な箱型だったものが、20年で極薄化を果たしたように、3Dプリンターや3Dスキャナーも高性能化と低価格化が一気に進む。

ましてや過去の技術力とは比べ物にならないぐらいベースが進歩していることから、もっと速く進化する。現在、3Dデータはスキャニングだけではなく、モデリング化するソフトウェアも簡略化への方向に向かっている。こうした点から、3Dモデリングソフトも誰でも使用することができるようになり、製品開発においては、よりそれ以前のアイデアやコンセプトメイキング、デザインといった部分が重要になってくるだろう。

そのため極端なたとえだが、人工知能で機械が行う職業が増えるように、3Dデータ化を行う作業は職種としてなくなる可能性も高い。これに合わせ、今後の教育においても、よりクリエイティブな発想、アイデアをカタチにするデザインの教育に重点を置く必要がある。

インテルの3Dカメラ搭載の記事はこちらをどうぞ

i-MKAERでは光造形3DプリンターForm3+やレーザー焼結3DプリンターFuse 1Raise3Dシリーズなど多彩な3Dプリンターのノウハウ、販売をご提供しています。ご質問や無料サンプルや無料テストプリントなどお気軽にご相談ください。