ローカル・モーターズが世界初となる3Dプリント電気自動車の製造計画を発表

世界初の3Dプリント電気自動車

ローカル・モーターズは自動車関連のオープンコミュニティだが、新たな3Dプリント技術による自動車製造計画を発表した。

今年の2月にデスクトップ3DプリンターのメーカーMakerBotのCEOブリペティス氏を取締役に加え、自動車を完全に3Dプリントで製造する計画を発表しているところだが、今回は世界初となる電気自動車の3Dプリント製造。

既にラリーファイター車用にレプリカ製造等で3Dプリント技術を使用しているが、今回は3Dプリント製造の特長である軽量化と燃費向上という最大の特長を電気自動車で再現することで、更なる環境性能を高めた自動車を製造する大きな試みとなりそうだ。

ローカル・モーターズはエネルギー消費量を抑え、温室効果ガス排出に関する自動車製造技術について、既にアメリカで70年の歴史を持つ国立研究所、オークリッジ国立研究所と共同研究を進めている。

今回の3Dプリント電気自動車製造はいよいよ実用段階に入ったことを示している。ローカル・モーターズの発表によると、今年の9月8日から13日にわたって開催されるシカゴ国際製造技術展2014において3Dプリントされた電気自動車の発表を行い、完成した車両を展示する方向でプロジェクトを進めている。

この電気自動車を3Dプリント製造するにあたりローカル・モーターズは下記のように発表している。

今回のプロジェクトで作られる完成車は、持続可能なグリーンテクノロジーの一例であり、ライフサイクルエネルギーと温室効果ガスの排出に役立つだけではなく、製造コストを削減し、これからの新しい製品を創造する新たな事例になる。

ローカル・モーターズ

3Dプリント技術は環境性能を向上させる

3Dプリント技術で作るパーツの特長の一つとして、品質向上とコスト削減という二つの面がある。

品質向上という面に関しては、パーツの耐久性が向上するだけではなく、軽量化される。すなわち軽くて丈夫な部品を作ることができる。

また、コスト削減という点からは1個単の生産になるため、材料の無駄がなく使用されるエネルギーの消費量も必要な分だけとなる。

そのため、自動車や航空機といった燃料を消費し動かすモノの製造に利用された場合、完成品の乗り物自体のクオリティを向上させるだけではなく、製造工程においても多くのメリットを享受することが可能になるのだ。

今回のローカル・モーターズの3Dプリントによる電気自動車も燃費向上に計り知れない貢献をすることになるだろう。

また、製造コスト自体も下がっていることから、もし量産されることになった場合には、ユーザーにとっても、車体価格の低下と超高燃費という二つのメリットが得られ、実用化されることの意味が大きい。

ローカル・モーターズは既に1月から4000名以上の最先端技術の研究に打ち込むオークリッジ国立研究所と、この超高燃費、超エコカーとも呼べる3Dプリントカーの製造に取り組み始めている。

まとめ -完全なカスタム製造の予感-

今回の3Dプリントによる電気自動車が完成した場合、自動車製造にとってどのような意味があるのだろうか。

ローカル・モーターズは約3600名近い自動車のデザイナー、エンジニア、加工業者が参加しているオープンコミュニティだが、3Dプリント製造と合わさることで、完全な個人の要望に応じたカスタムカーが製造できるようになるかもしれない。

1台単位から自動車が作れるようになれば、コミュニティに参加しているデザイナーやエンジニアたちが、カスタムカーのデザインを希望するエンドユーザーの希望にこたえてデザインし、それを3Dプリント技術によってオンデマンド製造してしまう、そんな時代になるのかもしれない。

インターネットによってオープンにされたコミュニティによるあらたな形のモノづくりが3Dプリント技術と組み合わさることで、確実に従来とは違ったスタイルのメーカーが誕生しはじめているのではないだろうか。

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