光学製品の3Dプリントを行うLUXeXceL社が500万ユーロを調達 LED市場を狙う取組

光学製品の3Dプリント

LUXeXceLは、拡大鏡や一眼レフカメラなどに使用されるフレネルレンズやフリーフォームレンズ、プリズム、照明器具などに使用されるステンドグラスといった光学製品の3Dプリントサービスを提供するオランダの企業だ。

光学製品の3Dプリント製造を行う企業はこのLUXeXceL社がトップだが、今回新たにミュンヘン·ベンチャー·パートナーズ、ChrysalixSET、Filsa·キャピタルといった企業から500万ユーロ(約7億円)近い投資を受けることになったと発表した。

今回の投資によりレンズやプリズムといった光学部品の3Dプリント製造の地位を高め、この分野におけるグローバルリーダーとしての立場を確固たるものにすることが狙い。

LUXeXceLの強みは特許取得されたPrintopticalテクノロジーと呼ばれる独自のデジタル技術で、それにより光学部品のオンデマンド製造ができるとのことだ。

また、通常の3Dプリント技術と違い、製造後の後処理が必要ない点が特長だ。

この光学部品の3Dプリントサービスによって製品開発の大きな手助けが可能になるとのこと。LUXeXceLは1個の試作品も100個のサンプルも、1万個の最終品の製造も大差なく可能になると発表している。

これにより圧倒的なコスト削減とリードタイムの節約が可能になる。

Printopticalテクノロジーとは

LUXeXceL が持つ独自技術Printopticalテクノロジーとはどのような技術なのだろうか。

光学製品の3Dプリントを可能にする技術だが、UV硬化性ポリマーの透明液滴が噴射されうことで積層する技術のようだ。

この技術は透明プリズムやレンズといった光学製品だけではなく、フルカラーの3Dグラフィックスやテクスチャを加えることも可能だ。

また、1440dpiという超高解像度での積層が可能であるため、製造後の表面加工や後処理が必要ないのが特長だ。

Printopticalテクノロジーを使用することで、従来、光学部品の製造に必要とされてきた射出成形、ダイヤモンド旋削、研削、研磨などの複雑な製造工程は必要なくなるとのこと。

Printopticalテクノロジーにより製造された光学部品

まとめ -LED光学市場への参入―

LUXeXceLは単純な光学部品の3Dプリントサービスだけではなく、光学製品の研究・開発・設計・試作・マーケティングなどをトータル的に手掛ける専門企業だ。

また、LED設計分野における光ソリューションの製造、販売、開発も行っている。こうした光学設計の専門集団であるLUXeXceL社が狙うのは巨大なLED市場だ。

LED照明に欠かすことができないのが光学設計になる。照明器具で最も重要な機能が光の方向を制御することによって光を目的とする方向にむけさせることが必要になる。

そのためLEDの配光は光学レンズの形状によって大きく異なってくる。

LUXeXceLの光学レンズの3Dプリントサービスが本格化されれば様々な形状のLED照明の光学レンズが製造可能になる。

それは従来の量産体制をとっていた製造プロセスに比べ、はるかに安価ではるかに短い時間で可能になることを意味している。

LED照明市場はグローバル市場においても拡大の一途をたどり、2020年には全照明市場の50%を占めると言われており5兆円を超える規模になる。

LED市場予測

出所:富士経済

LUXeXceLは2013年度には50万ユーロ(約7100万円)の売り上げを達成しているが、2017年には3200万ユーロ(約45億円)の売り上げ規模まで拡大していく見通しとのことだ。今後様々な分野で3Dプリント技術が浸透しそうだ。

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