MakerBotは4種類のPLA複合フィラメントを発表

PLA樹脂と異素材の組み合わせ

FDMやFFFなどの3Dプリンターの材料は、フィラメントと呼ばれる樹脂を線状にしたプラスチックだ。基本的にはABSPLAが主に使用される。ABS樹脂は3Dプリンター以外にも金型を使ったプラスチック成形ではおなじみの素材。その特性は加工性や耐久性が高く、美しい仕上がりができる。

一方で、PLA樹脂は植物由来の素材。もともとは石油系樹脂のABS樹脂の代替素材として開発されたが、3Dプリンター用のフィラメントとしては、同等の性能を出すのは難しい素材。そんなPLA樹脂だが、様々な分子を配合するというプラスチックの特性を生かし、新たな3Dプリントフィラメントが誕生しつつある。

昨年はフィラメントメーカーであるオランダのColorFabbが、木材フィラメントや金属調のさまざまなPLAフィラメントを発売したり、別のフィラメントメーカーがステンレススチールのPLAフィラメントや鉄を配合したマグネットのフィラメントを発表している。いずれもPLA樹脂を基準に異なる素材を配合することで開発されたものだ。

もともと樹脂はさまざまな分子や素材を配合し組み合わせがある程度できる素材で、木製の樹脂などは、木型製作などの試作現場では従来からケミカルウッドとしてなじみ深い素材であった。そんな樹脂の特性を利用し、3Dプリンターの幅を広げる多くの新素材が登場してきている。今回新たにデスクトップタイプの3DプリンターメーカーであるMakerBotがインターナショナルCESで4種類のさまざまな素材のPLAフィラメントをリリースした。

石灰石、メープルウッド、ブロンズ、アイアンのPLAフィラメント

今回Makerbotがリリースした4種類の素材は石灰石、メープルウッド、ブロンズ、アイアンの4種だ。それぞれPLA樹脂をベースにし、それぞれの素材を配合して作られている。ウッド調やブロンズ調、アイアンなどは既に他社からもリリースされているが、3DプリンターメーカーであるMakerBotがリリースすることで、より最適化された3Dプリント材料を使用することができる。

この4種類のPLAフィラメントは第5世代のMakerBotの3Dプリンターと互換性があり、押出ノズルは4種類のフィラメント専用のスマート押出機を使用する。下記はCESで展示されたMakerBotの3Dプリンターでプリントした展示品だが、石灰石はまさに彫刻そのものであり、メープルウッドのドアノックは木目そのものだ。また、ブロンズ、アイアンで作られた壺も、金属調が上手く表現されている。

PLAフィラメントについては「3DプリンターのPLA(ポリ乳酸)フィラメント完全ガイド」で詳しく種類や特長、おススメフィラメントをご紹介していますのでそちらをご参照ください。

まとめ 拡大するフィラメントバリエーション

さまざまな質感を出せる3Dプリントフィラメントはこれからも拡大を続けるだろう。例えば本日ご紹介した4種類のフィラメントは、その他の製法による3Dプリンターや、成形技術、素材を使用しなくても安価なFDM3Dプリンターで再現することができる。作る物にもよるだろうが試作品のレベルからある程度使用素材の質感を見るといった使用方法が可能だ。こうした異素材とPLA樹脂の複合材料は単なる見た目の質感以外に、樹脂自体に機能を持たせるものも登場している。こうしたフィラメントの拡大はFDM3Dプリンターの精度が向上することでさらに広がりや優位性を発揮するだろう。

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