MakerBotがミスプリントしない完璧な3Dデータのデジタルストアを立ち上げ

デスクトップ3Dプリンターの問題点

3Dプリンターの特許期限切れは安価なデスクトップタイプの3Dプリンターを世に送り出すことに成功した。

本来は数百万から数千万する機械加工品としての3Dプリンターが今では数十万、安ければ10万円以下で手に入る時代になっている。

こうした安価な3Dプリンターはデスクトップタイプと言われ、従来3Dプリンターを持つことができなかった中小企業やデザイン事務所、個人などに対して、ものづくりにおける試作品の製造を可能にしている。

安価なデスクトップタイプの3Dプリンターは2013年度以降さまざまな製品が登場しており、今後もすさまじい成長率で普及が伸びることが予測されているが、実際は有効的に使用されているのだろうか。

MakerBotは代表的なデスクトップ3Dプリンターのメーカーで、REPLICATOR® 2が代表的だが、3Dデータによって性能がまちまちだという。

日本のデザイン事務所で使用されている方に聞いてみたが、樹脂が出力されない状態でノズルが動きていたり、また樹脂が出力されてもデータ通りではなく歪んで成形される場合も結構あるとのことだ。

MakerBotの方でもこの問題は把握しているようで、デスクトップタイプの3Dプリンターで出力されるにはデータの完成度が大きく影響しているとの見解もある。

ミスプリントがない完璧な3Dデータ販売サイト

MakerBotが運営する3Dモデリングデータの代表的なサイトがThingiverseだ。

Thingiverseは様々なデザイナーや3Dモデラーたちが登録を行い、3Dデータもいろいろなものが存在する。

現在登録されている3Dデータの数はMakerBotのCEOブリペティス氏の発表によると218,000個以上存在するという。

基本的にThingiverseのデータは無料でダウンロードすることができるが、実際3Dプリンターで使用してみたら正確に印刷されないケースも多々あるという。

また、どのデータが正確に印刷できて、どのデータがゆがんだり、欠けたりして印刷されるかということはサイト上からはわからないという問題点がある。

3Dプリントの失敗作1

3Dプリントの失敗作2

3Dプリントの失敗作3

現状のデスクトップタイプの3Dプリンターではこうした不具合が発生してしまうのは性能の限界という部分もあるが、MakerBotはこのような問題を解決するために新たなデジタルストアを立ち上げた。

MakerBotが新たに立ち上げたデジタルストアはデスクトップ3Dプリンターで印刷することができる高品質で塗装などができる3Dデータのみを扱っている。

MAKERBOT® DIGITAL STORE

 現在はまだデータ数も少なく、データも簡単な玩具の模型程度のものだ。

価格も0.9ドルから2.99ドルと非常に安い。

しかし今後はデスクトップ3Dプリンターの性能改善とともに、3Dデータ自体の質向上もなされることが期待される。将来的には高性能でミスプリントなく利用できるデータがどんどんアップされることになりそうだ。

まとめ

デスクトップ3Dプリンターの意義は今まで3Dプリントを利用できなかった人たちにその使用をもたらしたという点にある。

従来は試作品を製造するのにも、高額な値段がしていたが、現在は数年前に比べてはるかに安価な値段で試作品を製造することができる。

これはプロダクトデザインの現場において、デザインの修正と改良といった作業を作業効率を高め、よりものづくりのスピードを上げる役割があるものだ。

しかし、データによって不具合が生じたり、データ通りにプリントされなければ逆効果になってしまう。まだまだ3Dプリント技術は未成熟な部分もあり、今後更なる改善を待たなければならないが、総体的にはものづくりの利便性を向上させてくれる技術と言えるだろう。

MakerBotが新たに立ち上げたミスプリントしないデータ販売サイトも、メーカー自身が3Dプリンターの性能の限界と改良を認識している取組に他ならない。今後更なるクオリティの向上に期待が持てる取組だ。

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