サドルを3Dプリントするジャイアント
ジャイアントは台湾の自転車メーカーで、手ごろな価格でマウンテンバイクやクロスバイクなどを製造しているメーカーだ。
もともとジャイアントは自社製品の試作品製造では3Dプリンターを使って製造していたが、試作品製造だけではなくサドルの製造に3Dプリント技術を使用し始めるという。
ジャイアントが製品開発をする際、デザインから試作品を起こす際にはオンライン3DプリントサービスのZoomRP.comを利用しレーザー焼結技術と光造形技術の両方の造形方式で試作品を製造していが、本格的にサドルの製造に繰り出すということだ。
コスト圧縮と個人ニーズの対応が可能
自転車サドルは実は自転車を構成するパーツの中において最もパーソナライズが必要な部分になる。
ジャイアントが製造するタイプのマウンテンバイクやクロスバイクは自転車競技や愛好家の間で好まれるタイプのもので、基本的には運転時間は長時間になる。
長時間運転する場合は、やはりサドルの形状は非常に重要であり、個人個人の尻の形や乗った時の体重などベストマッチする必要がある。マウンテンバイクやクロスバイクを愛好している方ならわかると思われるが、サドルがあっていない長時間運転は尻の痛さに耐えられないだろう。

ジャイアントのサドル
そのためサドルを個人個人の体系にあった形にフィットさせるためにはオーダーメード、カスタムメイドが可能な3Dプリントは最適と言える。ジャイアントで部品製造を手掛けるレンツ氏は
3Dプリント技術は顧客の方々に対して、より快適で自身を持って乗り心地を提供することができる最終製品の提供に磨きをかけることができます。
と語っている。
こうした顧客ニーズに対する必要性とは別に3Dプリントによる生産を行うメリットがある。
それはコストと時間の圧縮である。従来はサドルパーツの製造には金型を製造して行っていたが、金型製造の加工や製造方法では時間が多くかかってしまい、同時に価格も高くなってしまうという。
しかし3Dプリント技術を利用することで、従来よりもコストを圧縮し、金型製造にかかっているよりもはるかに短い時間で製造することが可能になる。同時に、金型製造では達しえなかった個人の体系にベストマッチした製品を提供することができるという利点がある。

3Dプリントされたサドル
まとめ
ジャイアントは自転車メーカーの中でも先進的な取り組みで定評がある企業だ。特にアルミフレームやカーボンフレームの製造では世界一の技術力を持っていると言われている。
こうした技術力と製品開発に対する取組は高品質な製品を低価格で提供するということを可能にしている。
今回のサドルの3Dプリント技術の導入についても、自社製品の品質を高めるだけではなく、製造にかかっているコストとリードタイムを圧縮することで製品本体の低価格化が可能になった。
ジャイアントの顧客にとってみれば、サドルの形状が自分の体系にフィットし乗り心地が良くなるだけではなく、価格まで安くなるというメリットがある。ジャイアントの取組は3Dプリンターを製造プロセスの一部に取り入れることで自社にも顧客にもメリットがある代表的な例だろう。
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