透明で柔軟なフィラメントの登場
3Dフィラメントのバリエーション拡大が盛んだ。先日3DプリンターメーカーであるMakerBotが新たに4種類のPLAフィラメントをリリースし、FDM3Dプリンターで金属や木目調の試作品が更に増えることになった。またこの異素材のフィラメント開発ではオランダのColorFabbが有名だ。
しかし、こうした新たなフィラメント開発を手掛ける企業は他にも存在する。ドイツの発明家で、フィラメント専門家であるKai Parthy氏が開発する特殊フィラメントがそうだ。既にセラミックやスポンジ、木目調の造形物が作れるフィラメントをリリースしているが、新たに今回、透明で柔軟なシート状のようなものが作れるBENDLAYフレックスフィラメントをリリースした。この新たなフィラメントはABSやPLAよりも耐久性と弾力性があり、透明で強いビニールのような質感を出すことが可能だ。
本日はドイツのフィラメント専門家Kai Parthy氏が開発する透明で柔軟なフィラメントBENDLAYフレックスをご紹介。
高い弾力性と300%の伸縮性
この柔らかくて透明なフィラメントBENDLAYフレックスの特徴は、ガラスのような透明性を持ち、なおかつ低い吸水性という特性から、これまで作ることが不可能で合った物体を作ることができる。例えば下記の動画で紹介されているような柔軟性のあるコップなどが造形可能だ。また高い柔軟性と弾力性、耐久性を持つことから、靴底のインソールや、ストラップ、リストバンドなど、柔軟性が要求される製品の試作に最適だ。また、ABS樹脂とは違い、食品包装や医療機器などにも使用することができる。
BENDLAY動画
BENDLAYフィラメントスペック
- 高い透明性
- プリント温度:215度~240度
- 最適温度:240度で高い密着性を発揮
- 高い耐久性と柔軟性
- 300%まで伸縮可能
- ABSの30%の吸水性
- 食品包装、医療機器などで使用可能
- フィラメント径:1.75mm、3mm
- 価格:39.95 ユーロ(1.75mm)、32.95ユーロ(3mm)
まとめ 機能性フィラメントの可能性
ハイエンドモデルの3Dプリンターではゴム状などの柔軟性のある素材は利用することができたが、低価格なデスクトップタイプではほとんどないのが現状であった。しかし、このBENDLAYフレックスフィラメントを使用することで、これまで不可能であった柔軟性や伸縮性が求められる試作品を作ることが可能だ。
また、一般的なプラスチック素材と異なり、食品包装用や医療用で使用できる特性を有し、さらには300%まで伸ばすことができる高い耐久性から、多くの物に利用することができる。BENDLAYフレックスフィラメントのように、単なる質感ではなく、樹脂としての特別な機能性を持つ機能性フィラメントこそが、製品開発における3Dプリンターの役割を大いに発揮させることにつながるだろう。今後こうした機能性フィラメントの開発と利用拡大はますます盛んになるだろうし、それにしたがって安価な3Dプリンターの普及も進むことと思われる。
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