ColorFabbは金属の3Dフィラメントを追加、もう一つの銅材料CopperFillを発表

FDM3Dプリンターの価値を高めるColorFabb

ColorFabbは3Dプリンターのフィラメントメーカーとして、過去数か月にわたりユニークな3Dプリントフィラメントを発売してきた。これまでABSPLA二種類のフィラメントを使用するのが一般的であったが、ColorFabbの特殊フィラメントによって性能が悪い低価格帯のFDM3Dプリンターに明るい未来を与えてくれるように見える。

とりわけ一大人気を博したのが青銅の質感をだせるBronzeFillで、最大の特長は、プリントが終了した後に、研磨することで、独特の光沢を出すことが可能な点だ。これはFDMのときにできる積層の粗をなくすことができるという大きなメリットをもたらし、フィラメントが造形物のクオリティを上げることを示している。

また、この光沢が出せるブロンズ調のbronzeFill以外にも、造形物の幅を広げるフィラメントが多く、木材フィラメントWoodFill、竹の質感を再現したbambooFill、そしてABSとPLAの強さを兼ね備えたPETGフィラメントであるXT-コポリエステル、通称アンフォラ3Dフィラメントの合計4種類の特殊フィラメントをリリースしている。

ColoraFabbの役割は、特殊フィラメントをリリースすることで、これまで仕上がりの悪さで疑問を持たれていたFDMタイプの3Dプリンターの価値を見直す役割を果たしていると言える。

しかしここにきてさらにColorFabbはFDMタイプの3Dプリンターの可能性を広げる新たなフィラメントの発売を開始した。それは銅の質感を表現することができるCopperFillだ。本日は低価格なデスクトップモデルで金属の質感を出すことができるColorFabbの新たな特殊フィラメントCopperFillをご紹介。

人気なブロンズ調のフィラメント

銅と青銅の違いを出せるフィラメントCopperFill

今回登場した銅、すなわちCopperFillだが、前回の同じ銅の質感を表現したbronzeFillとは何が異なるのだろうか。Bronze、ブロンズとCopper、コッパー、どちらも日本語訳すると「銅」だが、正確に言うとBronzeは青銅、Copperは銅だ。

下記の画像を見ていただければわかると思うが、BronzeFillで作られたものとCopperFillで作られたものでは微妙に色合いが異なる。ちなみに、左側の髭を生やした銅像の方が今回新たに登場したCopperFillで、右側の笑顔の銅像の方が以前からあるBronzeFill。

CopperFillとBronzeFill

今回登場したCopperFillも基本的にBronzeFillと特長は同じ。FDMの3Dプリンターで積層した後、研磨することで銅の輝きを出すことができる。これで積層した際に残る層の粗もなくなるというわけだ。

すでにもっとも市場に流通している低価格モデルMakerbotのReplicator2や、Ultimakerなどでもテスト済みで、正確に3Dプリントすることができる。主な材料はPLAペレットをベースに銅の粉末を混合することで作られている。

そのためプラスチックのフィラメントとはいえ、重量はPLAのフィラメントの約3倍で、ほぼ金属フィラメントと言えるだろう。価格は750グラムで49.95ユーロ(約5400円)で材料としてはちょっと高め。10月末まで予約を先行予約を受け付けており、世界中へ発送が可能。

銅のフィラメントCopperFillの動画

まとめ

上記でご紹介したように、ColorFabbの特殊フィラメントたちは、今後のFDMタイプの低価格3Dプリンターの可能性を大きく広げてくれる役割を果たしている。もともと樹脂はいろいろな分子や添加物を混ぜることで様々な機能を発揮することができる素材だ。

例えば、最近は真空成形などに使用する木型を削り出すにはプラスチックのブロックを使用するが、このプラスチックのブロックは、ColorFabbのフィラメントのように、木材パウダーを混合して、木材の質感をだせるものや、金属の質感を出せるものが既に存在する。

ありていな言い方をすれば、ColorFabbの新商品は、従来から上記のような樹脂ブロックを、フィラメント状にしただけともいえるが、それが3Dプリンターで利用できるということは極めて画期的なことだと言える。

今3Dプリンターは低価格化がぞくぞくと進み、様々なモデルが登場しているが、こうした3Dプリンターの販路を拡大する鍵となるのは、ColorFabbが作るような3Dフィラメントかもしれない。ColorFabbの動きは今後も目が離せないと言える。

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