オランダの学生が3Dプリントエコカーをデザイン シェルエコマラソン2014めざす

シェルエコマラソン2014

オランダのZuyd大学の学生たちが3Dプリントできるエコカーデザインを発表した。

この取り組みは5月15日に開催されるシェルエコマラソン2014への出場を目的としたものだ。シェルエコマラソンはオランダのハーグに本拠を置く世界第二位の石油メジャーロイヤル・ダッチ・シェルが開催するイベントで、世界で最もエネルギー効率が高い車をデザインし製造し、レースをするという学生チームのイベント。

受賞の決めては使用するエネルギー量を最小にして。どこまで遠くまで走ることができるかで決まる。

本大会では全世界中から数千人の学生チームが参加するとのことだ。

今回の3DプリントできるエコカーをデザインしたチームはEuregiorunnersと言われるチーム。既にエントリーは26か国から19チームが申込みをしており、229名の学生が参加する大イベントになる。

シェアエコマラソン

3Dプリンターで自動車パーツを製造

今回Euregiorunnersが3Dプリントで自動車を製造する目的は二つあると考えられる。

第一はチームも発表しているが予算上の問題だ。3Dプリントで自動車のパーツを製造した方がはるかに安く仕上げることが可能だ。

製造にあたっては全部で200個のブロックを3Dプリンターで出力し、カーボン素材で覆い固定するという方法をとる。

少なくとも、ダッシュボードの内部、ステアリングホイール、ウイングミラーは完全に3Dプリント製造を行うとのこと。

3Dプリンターで製造する目的の第二は圧倒的な軽量化を実現するためだと考えられる。

最近ではフォードやGEなどで3Dプリンターによるパーツ製造が開始されているが、目的の一つが軽量化である。

乗り物は軽量化すればするほど燃費が向上するというシンプルな目的からだ。

また、以前にもご紹介したが、3Dプリンターで自動車を作る取組は既にアメリカで何度もトライされており、車体の50%以上を3Dプリンターで製造し全米横断を試みるUrbeeプロジェクトなどがある。

Urbeeの記事はこちら

そのため、今回のシェルエコマラソンの審査が、最小のエネルギーでどこまで遠くまで走行できるかが基準であることから、当然3Dプリンターで軽量化を図るものと思われる。

ただい1点気になる部分が、使用する3Dプリンターが組み立て式のオープンソースの3DプリンターUltimakerであるという点だ。

言うまでもなくデスクトップタイプの3Dプリンターは高性能なハイエンドタイプと比較しても精度の点で懸念が残るのが正直なところ。

全米横断プロジェクトのUrbeeも3Dプリント製造にあたってはストラタシスの高性能な3Dプリンターを使用している。Euregiorunnersは10台のUltimakerを使用して製造するとのことだが、仕上がりが気になるところだ。

Euregiorunnersの3Dプリントエコカー

まとめ

シェルエコマラソン2014は学生が参加するイベントで、今回のEuregiorunnersの3Dプリント使用目的も予算を考えてのことだが、今後3Dプリント技術がより向上していくにしたがって、乗り物のパーツ製造に取り入れることが多くなるに違いない。

既にアメリカでは先に紹介したUrbeeプロジェクト以外に、3Dプリントで車体を超軽量化するRapid Racerの取組や、自動車設計のオープンコミュニティであるローカル・モーターズがデスクトップタイプの3DプリンターメーカーMakerBotと共同で完全な3Dプリントカーの製造に乗り出している。

自動車における3Dプリンターの導入は製造コストの削減とともに、車体軽量化による圧倒的な燃費削減をもたらすことが期待されているためだ。

3Dプリント技術は2014年度以降も日に日に向上し続けており、より技術が向上すれば、更なるメリットをもたらし、最終品の3Dプリント製造がどんどん増加していくに違いない。

自動車製造の3Dプリント技術の記事はこちら

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