3Dデザインやモデリングが誰でも利用できる
3Dデザインをより簡単に、誰でも利用できるようにしようという動きが盛んだ。複雑なモデリング作業を行わなくても、直感的に手軽に3D化できるソフトやアプリケーションが開発されてきている。
iPadでスケッチ感覚で3Dデータをつくることができるソフト、UMakeや、写真から高精細な3Dデータを作るオートデスクのMEMENTOなど、3Dデザインや3Dモデリングがより身近な存在になってきている。そのような中、デスクトップ3DプリンターのリーダーMakerBotが新たなアプリケーションをリリースした。
今回発表されたのは、昨年2014年7月にリリースしたiPad専用のアプリPrintShopの新機能バージョン1.5だ。今回発表された新機能によって、より3Dモデリングが親しみやすく、誰でも扱えるようになっている。それは二次元の画像をそのまま3D化することができるというものだ。
インテルがスマートフォンやタブレット端末のカメラを3Dスキャニング化する開発に乗り出しているが、このMakerBotのアプリはiPadで3Dモデルが手軽にできる時代になっていることを示している。
画像をiPadでキャプチャー、そのまま3Dデータ化
このPrintShopというアプリケーションはiOS専用でiPadで使用するアプリだ。直感的な3Dモデリングができてそのまま直接MakerBotの3Dプリンターレプリケーター第5世代にデータを送信することができる。そして今回追加された新機能では、なんと、iPadのカメラでキャプチャーした二次元画像をそのまま3Dモデル化できるというもの。
下記はその機能の紹介動画だが、二次元のイラストをiPadのカメラで撮影、それがそのまま3Dモデルになり、レプリケーターでプリントする様が紹介されている。
MakerBotのPrintShopバージョン1.5動画
ユーザーは二次元の画像をiPadカメラで撮影し、その後、そのデザインのコントラストやライン、ボリュームなどをスライダーを利用して操作し調整する。そして無線LANを通してMakerBotの3Dプリンターにデータを送信してプリントすることができる。
MakerBotはこのPrintShopアプリが3Dプリントを始めたい人や、学生、子供たちにとって、最適な入門になると考えている。もともとMakerBotは、学校に対して3Dプリンターを導入するといった教育志向の考え方が強い企業。このアプリケーションはまさに3Dプリンターになれるだけではなく、3Dデザインに親しむうえでも有効に働くだろう。より高度なエンジニアリングを習得する前の入門として最適だ。
まとめ デザインやエンジニアリングの役割がより重要性を増す
また、製品開発の現場においてもプロトタイプの確認という面では、より効率的に行えるかも知れない。プロダクトデザインでは、コンセプトが決まると、それをデザインスケッチに書き起こすが、PrintShopのこの機能を使えば、スケッチ段階から実際の物体としてデザインの確認をすることが可能になる。
わざわざ、二次元の設計図をつくり、3Dモデリングを行う手間は不要になるというわけだ。より製品化へのスピードが早まることになるだろう。その一方で、ますます簡単に3Dデータ化が進めば進むほど、それ以前のカタチにする前のデザインが重要になる。
それはまるで人口知能AIが普及することで、単純作業をロボットが担い、より頭を使った仕事の重要性が増すのと同じように。物体に落とし込む3Dデータ化はソフトウェアやコンピューターが自動で誰がやっても同じようなレベルまでできるが、それ以前の「何故この形状なのか」という部分、すなわちコンセプトからのデザインや、機能を実証するためのエンジニアリングの重みが更に増す。
教育分野において、このアプリを導入する際には、こうしたデザインやエンジニアリングの習得に結びつけて使用することが必要だ。そもそも、既に世の中に存在する物をスキャンし、同じような似た製品を作ったところで何の価値もないようなものなのだから。
そのように考えると、3Dモデリングや3Dデザインソフトの簡略化は、クリエイティブな能力を加速させるか、世の中にゴミを蔓延させるかのどちらかだろう。できうるならば、よりクリエティブなモノを送り出すための教育とセットで行うべきだ。
i-MKAERでは光造形3DプリンターForm3+やレーザー焼結3DプリンターFuse 1、Raise3Dシリーズなど多彩な3Dプリンターのノウハウ、販売をご提供しています。ご質問や無料サンプルや無料テストプリントなどお気軽にご相談ください。